コーヒーの効能
- 健康の話
- 2016.03.03

◆コーヒーのがん予防効果は本当なのか?◆
コーヒーにはある一定のがん予防の可能性があると言われています。
それは、膵臓癌・結腸癌・肝臓癌・子宮体癌を予防するというものです。
コーヒーをほとんど飲まない人に比べて、ほぼ毎日飲む人は男女を問わず肝臓癌の発症率が半分だったそうです。
さらにコーヒー1日の摂取量がふえるほど肝臓がんの発症率は低下し、1日5杯以上飲む人は肝臓がんの
発症率はほとんど飲まない人に比べて4分の1まで低下したといいます。
詳細はまだ研究段階とされているそうですが、コーヒーには炎症を和らげる作用があるため
C型肝炎の進行を抑え、肝臓がんへの進行をくい止めるのではないかと考えられています。
コーヒーには、糖の吸収を抑え腫瘍細胞の増殖を促すインシュリンの過剰な分泌を防ぐ作用があるため
がん予防だけでなく糖尿病にも効く可能性があると言われているそうです。
◆カフェインの働きでドーパミンが増える◆
コーヒーは「眠気覚まし」になるという話はよく聞かれます。
これはコーヒーに含まれるカフェインによって発揮されるものですが、それ以外にも脳に対する
さまざまな効果が報告されています。
まずカフェインには間違いを見つけるなど、脳の注意力や認知力を高める作用があることがわかっています。
これは帯状回(大脳の内側面にあり、感情の形成、学習や記憶にかかわる部位)の活性化が関与されているとされています。
しかし帯状回をはじめ、注意力や認知力にかかわる脳の領域の働きをカフェインが活性化するのです。
またカフェインによる脳の活性化には、神経伝達物質のドーパミンの働きもかかわっているといわれています。
ドーパミンは、快感・やる気・意欲といった情報を伝える神経伝達物質です。コーヒーを飲んだ後に
「頭がスッキリするとか、眠気が覚める、或いは気分が晴れやかになる」などの作用は
このドーパミンが関与していると考えられます。
また、カフェインにはストレスを軽減させる作用があることも報告されています。
脳にストレスを加えると、神経伝達物質の1つであるセロトニンが増えます。
しかし、前もってカフェインを投与したところ、セロトニンの増加が抑えられたというのです。
セロトニンは人の気持ちを穏やかにさせたり安心感を持たせたりする物質です。
ということは、セロトニンが増えるほうがいいのであり、セロトニンが減ることは悪い事だと捉えてしまうかもしれません。
しかし、この場合は脳がストレスに対抗しようとした結果、セロトニンが増加したと考えられます。
つまりこの実験結果から、カフェインによってストレスが軽減されたためセロトニンを多く分泌する
必要がなくなったと考えられます。
◆運動前にコーヒーを飲んで脂肪を燃やす◆
運動30分前にコーヒーを飲み、ウォーキングや自転車など軽い運動を行うと
脂肪燃焼が促進されると言います。
また、コーヒーはブラックで飲むことが大切で、砂糖を入れると脂肪が使われる割合が低くなってしまいます。
コーヒーの飲み過ぎは良くないですが、楽しみながら自分に合った量を飲むといいでしょう。
◆動脈硬化を防ぎ血管を丈夫にする◆
コーヒーの有効成分はカフェインだけではありません。
ポリフェノールという動脈硬化の予防に役立つ成分も多く含まれています。
実はコーヒーには赤ワインと同じくらいのポリフェノールが含まれています。
一説によれば、日本人は1日に摂取するポリフェノールの約半分をコーヒーでまかなっていると言われています。
コーヒーの飲み過ぎは健康上の問題を起こします。今まで生活の中でコーヒーを取り入れていなかった人は
1日1、2杯を目安にされるとよいでしょう。
南千住院 本間