腹痛について|葛飾区亀有、金町の接骨・鍼灸院

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腹痛について パート2

健康の話
2016.09.19

引き続き腹痛についてです。

今回は病院への受診が必要な腹痛について説明していきます。

・すぐ病院へ!緊急治療が必要な腹痛

これから紹介していく病気は緊急手術が必要だったり、治療が遅れると重篤化するおそれのある危険性の高いものです。強い痛みが起こったらすぐ病院へ行ってください。

・胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは胃や十二指腸の粘膜に炎症が起こり、ただれたり組織が損傷したりしてしまう病気のことです。

胃潰瘍と十二指腸潰瘍が発生する位置

進行すると粘膜に穿孔が起こり、腹膜炎を起こす危険性が出てきます。

【症状】

胃潰瘍は食事中から食後に、十二指腸潰瘍は空腹時に上腹部が痛むのが特徴です。そのほか次のような症状がみられます。
•胸やけ・酸っぱいげっぷ
•膨満感
•食欲不振
•出血(コールタール上の黒い便・吐血)

穿孔が起こると腹膜に炎症が及び、強い腹痛や嘔吐が起こります。

【原因】

胃潰瘍の原因で多いのがピロリ菌の感染です。また薬による刺激、ストレス、食生活で引き起こされる場合もあります。

【対処法】

ほかの病気と症状がよく似ているため、原因を特定するためにも腹痛が起こったらすぐ内科・消化器科を受診してください。

問診、バリウム造影検査、内視鏡造影などの検査で胃や十二指腸の状態を確認し、潰瘍からの出血があれば内視鏡を使いながら止血を行ない、出血がなければ薬の内服で潰瘍を治療していきます。

もしもピロリ菌が見つかればピロリ菌の除菌も行ないます。また症状の重い場合は手術も必要になります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は再発しやすいため、炎症が治った後も薬を飲み続け、消化器に負担をかけない食生活を心がけるようにします。

・大腸憩室炎

40代以上の人で下腹部の強い痛みと下痢があれば「大腸憩室炎」を引き起こしている可能性も疑われます。

憩室は消化器の壁にできるくぼみです。憩室という用語はあまり聞き慣れないかもしれませんが誰にでもできやすいもので、40代以上の人には大腸に憩室ができる「大腸憩室症」がしばしばみられます。

大腸憩室症はほぼ無症状で良性の病気なのですが、大腸憩室症がある人の1~2割には大腸憩室炎が起こるといわれます。

【症状】
•憩室がある部分の強い痛み
•下痢
•血便
•発熱

激痛の続く場合は憩室に穿孔ができて腹膜炎を引き起こしている可能性があります。

【原因】

大腸の憩室は腸に強い圧力がかかることで生じるもので、便秘、加齢による腸機能の低下などが原因となっています。

憩室に糞石(化石のように硬くなった便)が詰まって細菌感染を起こした時に大腸憩室炎が起こりやすくなります。

【対処法】

強い腹痛や下血に驚き、すぐ病院へ駆け込むことになると思います。専門科は消化器外科です。

経口大腸レントゲン検査や内視鏡検で憩室の存在と炎症が確認できれば、入院は必要になりますが抗生剤の服用と安静で回復させることができます。

ただし大量出血や憩室の穿孔など重い症状を引き起こしている場合には、手術も必要になります。

憩室の存在は自覚症状のないまま、検診などで指摘され気付くことが少なくありません。大腸憩室症の人は普段から食物繊維をしっかり摂取して便通を整えると、憩室炎の発症を予防することにつながります。

・急性虫垂炎

「急性虫垂炎」は、15人に1人がかかると言われる比較的ありふれた病気です。「盲腸」と呼ばれてきましたが、盲腸の先にある虫垂に炎症が起こる病気で正式には虫垂炎といいます。

急性虫垂炎は全世代に発症し、10~20代に好発します。また子どもにもよくみられる病気です。進行すると虫垂が破裂して腹膜炎を起こす危険性があるため、受診を急がなければなりません。

【症状】

時間の経過と共に、カタル性(軽い炎症)→蜂窩織炎性(虫垂の化膿)→壊疽性(虫垂の穿孔)と進行していきます。

盲腸は大腸の右端にあり、たいていの人は「右下腹が痛ければ虫垂炎」と認識していると思います。しかし最初から右下腹が痛むわけではありません。

最初はみぞおちの痛み、次にへその周辺の痛み、4~6時間くらいで右下に痛みが移行していきます。最初は胃腸炎などと間違えてしまうことも多いようです。

次のような症状があれば急性虫垂炎と判断することができます。
•吐き気や食欲不振がある
•嘔吐を伴うことがある
•下痢はほとんど起こらない
•微熱が出る
•右下腹を手で押して離した時に痛みが強くなる(ブルンベルグ徴候)
•右足でケンケンすると右下腹に響く

【原因】

虫垂に糞石が詰まって細菌感染が起こり炎症が起こるのだと考えられていますが、はっきりした原因は分かっていません。

【対処法】

右下腹に限定した腹痛が続きほとんど下痢を伴わない場合は急性虫垂炎を疑い、すぐ受診してください。

血液検査、腹部エコーなどで虫垂の炎症が確認できた場合は、虫垂を切除する手術を行ないます。カタル性の場合は手術をせずに薬の投与で炎症をしずめることも可能です。

虫垂の位置と切除手術の図

炎症が進んで蜂窩織炎性、壊疽性まで進行している場合は手術が必要です。特に子どもは虫垂炎の発見が遅れて虫垂の穿孔から腹膜炎を引き起こしやすいので、虫垂炎が疑わしい場合はすぐに病院へ連れていかなければなりません。

ヒトの虫垂は退化しており、なくても体の機能に支障はきたしません。急性虫垂炎は薬で散らすこともできますが再発しやすいので、差し支えなければ手術で虫垂を切除してしまうのが一番ですね。

・急性膵炎

急性膵炎は、胃のすぐ裏側にある膵臓が分泌する膵液で自らを消化して炎症を引き起こしてしまう病気です。

急性膵炎が起こる箇所と膵液の流れ

軽症で済む場合もあれば、他の消化器、肺、肝臓など周辺の臓器にダメージを与え命を落とす場合もあります。

【症状】

炎症が起こるとみぞおちから左上腹部に激しい痛みが起こります。

急に激痛が起こることもあれば、最初は鈍痛程度で数日間欠けて痛みが徐々に強くなってくる場合もあります。
•食事の数時間後に腹痛が起こりやすい
•アルコールや油っぽい物をとった後に起こりやすい
•左側の背中や腰に突き抜けるような痛みがある
•嘔吐を繰り返すが嘔吐しても一向に楽にならない
•夜中に腹痛が起こりやすい
•発熱することがある
•胸膝位(四つんばいの姿勢をとってうつ伏せる)をとると楽になる

重症の場合は短時間で急性腹膜炎や多臓器不全を併発しやすく数日以内に死に至ることもあります。

【原因】

膵液が十二指腸へ流れなくなったり、膵液の分泌が過剰になったりした時に膵液の含まれる消化酵素が膵臓を消化し始めます。

膵炎発症の原因で最も多いのはアルコールの大量飲酒です。膵炎は大酒飲みの男性に多い病気ですが、女性では胆石が動いて膵管をふさいだ時に膵炎を引き起こすことも多くなっています。

【対処法】

急性膵炎が疑われる場合はすぐ受診しなければなりません。専門科は消化器内科です。

血清アミラーゼ検査・腹部超音波検査・造影CT検査などで急性膵炎の重症度を判別します。軽症なら入院し、絶食して輸液を投与し安静にします。重症の場合は集中治療室でバイタルサインをチェックしながら薬剤を投与して炎症をしずめます。

急性膵炎は再発しやすく飲酒の常用で慢性膵炎に移行しやすいので、急性膵炎が治った後も体調管理には注意が必要です。

急性膵炎を急性胃腸炎と間違えてしまうこともあります。

膵炎と診断するには血液検査やCT検査の結果が必要です!重篤化を防ぐため、腹痛が起こったらすぐに受診してください。

・下腹部の急な激痛は危険!女性特有の急な腹痛

婦人科系で急な腹痛を引き起こす病気には、卵巣嚢腫茎捻転(らんそうのうしゅけいねんてん)と子宮外妊娠があります。どちらも強い痛みを伴い、緊急治療が必要です。

・卵巣嚢腫茎捻転

卵巣嚢腫茎捻転は、卵巣嚢腫(卵巣にできる腫瘍)が肥大し、その重みで卵巣を支える茎がねじれてしまうことです。

正常な卵巣の大きさは直径2~3cmですが、嚢腫が肥大して直径5cmを超えると茎捻転が起こりやすくなると言われます。

卵巣嚢腫は婦人科系の病気の中でもありふれた病気のひとつで、ほとんどが良性の腫瘍です。

【症状】

卵巣嚢腫があっても普段は痛みがありません。しかし茎(卵巣の付け根)ねじれた瞬間、下腹部に激痛が起こります。吐き気・嘔吐・発熱を伴うこともあります。

卵巣腫瘍の茎捻転は左より右に起こりやすいのも特徴です。これは、左腹部にあるS字結腸が肥大した卵巣のクッションの役目をしているためだと言われています。

【原因】

卵巣嚢腫のはっきりした原因は分かっていません。30~40代に好発することから女性ホルモンの影響もあるのではないかと考えられています。

茎捻転は体の向きを変えた瞬間、激しい運動をしている最中などに急に起こります。

【対処法】

女性で何かのはずみで激しい下腹部痛が起こったら卵巣嚢腫茎捻転を疑い、至急病院へ搬送する必要があります。

ねじれた先に血液が流れなくなるため、時間が経過すると卵巣が壊死してしまいます。茎捻転が起こった時にすぐ手術をして、茎のねじれをもとに戻せば卵巣を温存することが可能です。しかし卵巣が壊死している場合は摘出しなければなりません。

卵巣嚢腫や茎捻転を予防する方法は特にありませんが、すでに卵巣嚢腫のある人は、定期的に検査を受けて嚢腫の大きさをチェックしておくこともおすすめします。

・子宮外妊娠(破裂)

正常な妊娠の場合は子宮内膜に受精卵が着床して発育していきますが、何らかのはずみで子宮内膜以外の場所に受精卵が着床してしまうことがあり、これを子宮外妊娠(異所性妊娠)と呼んでいます。

子宮外妊娠の約90%は卵管で起こっています。当然、胎児が発育できる環境ではないため最終的には流産となってしまいます。また発育した受精卵が狭い卵管を圧迫して破裂を起こす危険性もあります。

ちなみに子宮外妊娠が起こる確率は妊娠全体の約1%です。

【症状】

正常妊娠と同様に生理が止まり、生理予定日を過ぎた頃に妊娠検査薬を使うと陽性反応が出ます。しかし不正出血や下腹部痛がみられ、おかしいと感じることがあります。

卵管に子宮外妊娠が起こり妊娠5~6週頃に卵管が破裂してしまうと、激しい下腹部痛と大出血を引き起こします。ショック状態を起こして時には命に関わる場合があるので、大至急病院へ搬送しなければなりません。

【原因】

卵管の機能障害、炎症による卵管の癒着によって受精卵がスムーズに運ばれなくなり、卵管に着床してしまうこと考えられています。また体外受精による妊娠も子宮外妊娠のリスクが高くなっています。

【対処法】

子宮外妊娠で破裂した卵管は摘出手術が必要になります。卵管は2つあるため片方を摘出してもその後の妊娠・出産に差し支えることはありません。

子宮外妊娠が見つかった場合には、入院して慎重に経過を観察するなどの措置がとられます。

診察時に腹痛の状況を医師に正確に伝えるコツ

急に腹痛が起こった場合は、病院で一刻も早く適切な治療をしてほしいですよね。医師にスムーズに迅速に診断してもらうには、患者が腹痛の状況を正しく伝えることも大切です。

最後に、問診で腹痛の状況を医師に的確に伝えるためのポイントをおさらいしておきましょう。
・腹痛の状況

例…

どんな痛みがあるのか? シクシク、ズキズキ、我慢できない、など
どこが痛いのか?みぞおち、 脇腹、右肩、など
どんな時に痛みが強くなるのか? 空腹時、食事の2時間後、など
いつから痛いのか? 3時間前から、半日前から強くなってきた、など
ほかにはどんな症状があるか? 嘔吐、発熱、出血、など
排便の状態 下痢の回数、いつから便秘をしているか、など
生理周期(女性) 妊娠の可能性など

どんな些細な症状でも医師に伝えておくほうが良いですね。

今回ご紹介した急な腹痛の原因は、あくまでも可能性として考えられる病気を取り上げています。必ずしも急な腹痛がご紹介した病気のどれかに該当するとは限らないので、腹痛が起こった時にはすぐ医療機関に相談し、適切な治療を受けるようにしてくださいね。

金町院 井上

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