胃について Part3|葛飾区亀有、金町の接骨・鍼灸院

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胃について Part3

健康の話
2017.03.30

前回まで胃の代表的な疾患を挙げていきましたが、今回はそんな疾患の中でも代表的な『ピロリ菌』について紹介していきたいと思います。

ピロリ菌はヘリコバクター・ピロリ (Helicobacter pylori) と呼ばれ、ヒトなどの胃に生息するらせん型のグラム陰性微好気性細菌のことです。
1983年にオーストラリアのロビン・ウォレンとバリー・マーシャルにより発見され、ヘリコバクテル・ピロリと表記されることもあります。

胃の内部は胃液に含まれる塩酸によって強酸性であるため、従来は細菌が生息できない環境だと考えられていました。
しかし、ヘリコバクター・ピロリはウレアーゼと呼ばれる酵素を産生しており、この酵素で胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、生じたアンモニアで、局所的に胃酸を中和することによって胃へ定着(感染)しています。
またこの菌の発見により動物の胃に適応して生息する細菌が存在することが明らかにされました。

ヘリコバクター・ピロリの感染は、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃癌や MALTリンパ腫やびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫などの発生に繋がることが報告されている他、特発性血小板減少性紫斑病、小児の鉄欠乏性貧血、慢性蕁麻疹などの胃外性疾患の原因となることが明らかとなっています。
細菌の中でヒト悪性腫瘍の原因となり得ることが明らかになっている唯一の病原体です。
ピロリ菌検査で陰性でも胃炎など胃疾患が続く場合は、ヘリコバクター・ハイルマニイの感染が疑われることがあります。

感染経路
上下水道の普及率が低く、衛生状態の悪い地域ではピロリ菌に感染する確率が高いことが判明しています。
特に水道管の内部のヌルヌルに菌が繁殖しているケースが多いです。
ピロリ菌は「生物の胃の中からしか見つかっていない」と考えられていた時期もありますが、多くの細菌が繁殖しやすい環境下にも確実に存在しますし、衛生状態が悪い地域では糞便からも感染が報告されています。
例えば、ペルーの水道設備の有無による子供の感染率を調べた結果では、上下水道が完備している地域と比較して、完備していない地域の子供に感染する危険性は約3倍だったというデータもありました。
一方、日本の水道環境は安全ですが、50歳以上の人は衛生状態が悪かった幼少期に感染している可能性があり、その確率は70%以上ともされています。
また、ピロリ菌は食べ物や飲み物からも感染しやすいと考えられていて、基本的に口から侵入する経口感染がピロリ菌の侵入経路とされています。

治療法
体内のピロリ菌の除菌と聞くと患者さんはどんな治療をするのか不安になるようですが、ピロリ菌の初回治療は、3種類の飲み薬(胃酸を抑える薬と、抗生物質であるアモキシシリンとクラリスロマイシン)を7日間飲むだけだそうです。
注射も入院も不要で費用も後述する保険が効くケースなら3000円程度で済み、非常に簡単。
保険が効かない場合でも、10000~15000円程度見ておけば、治療を受けられます。
除菌の成功率は平均8割。報告者や地域により除菌成功率には差がありますが、この違いの原因はまだわかっていません。

ただ最近では、同じピロリ菌でも従来の抗生物質では効かない耐性菌が出現し、除菌率の低下が問題になってきています。
最新のデータによると「クラリスロマイシン」という薬には約28%のピロリ菌が耐性を有しており、特に除菌失敗例では半数以上に耐性菌が確認できると言われています。
このため当初の除菌率は約 90%でしたが、現在では60~70%台にまで低下しています。
ただし「アモキシシリン」という薬には今のところ耐性菌はおらず、有効性が高いようです。

(続く)南千住院 後藤

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