胃について Part4|葛飾区亀有、金町の接骨・鍼灸院

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胃について Part4

健康の話
2017.04.27

 連続して胃及びその疾患について述べてきましたが、今回は総まとめ的な意味で”胃がん”について述べていきたいと思います。

胃がんの定義と疫学
広義の「胃癌」には以下の種類があります。

  • 1,胃粘膜上皮から発生した癌腫:狭義の胃癌
  • 2,上皮以外の組織から発生した悪性腫瘍:GIST・胃悪性リンパ腫など
胃癌は中国、日本、韓国などアジアや南米に患者が多く、アメリカ合衆国をはじめ他の諸国ではそれほど顕著ではありません。
2003年の日本における死者数は49,535人(男32,142人、女17,393人)で、男性では肺癌に次いで第2位、女性では大腸癌に次いで第2位でした(厚生労働省 人口動態統計より)。
また日本では男女とも胃癌が第1位でしたが、死者数は年々減少しています。

胃癌の発生過程でヘリコバクター・ピロリ菌による「慢性萎縮性胃炎」・「鳥肌胃炎」の関与が示唆されています。
ヘリコバクター・ピロリ菌の陽性者では、陰性者と比較して胃癌の発生のリスクは5倍となります。
さらに、胃の萎縮の程度が進むと胃癌のリスクも上がり、ヘリコバクター・ピロリ菌感染陽性でかつ、萎縮性胃炎ありのグループでは、陰性で萎縮なしのグループと比較して胃癌の発生リスクは10倍となっています。
メタ解析によると、アジアでの無症状の成人を対象としたヘリコバクター・ピロリの除菌は、胃癌発症率および胃癌死亡率を有意に低下させました。

また喫煙や飲酒、過度のコレステロールなども胃がんを誘発する因子として危険視されています。

胃がんの治療
他の癌の治療と同様に、治療方針は癌の病期によって変わってきます。
主に以下にあげられる治療を集学的に行っていきます。
なお、がん治療には、手術・放射線治療・化学療法の三つがありますが、感染症を原因とする「アジア型のがん」である胃がんの治療には、それが全摘できる例外的な臓器であり、開腹手術で最初に確認できるという点から手術が向いています。

内視鏡治療
内視鏡的粘膜下層剥離術

低侵襲治療として以下のものが行われてきている。
腹腔鏡内視鏡合同手術
非穿孔式内視鏡的胃壁内反切除術

手術治療
旧来よりまた現在においても、根治術の根本としては外科的手術切除であり、胃切除術+D2リンパ節郭清が根治術の基本であす。
また、癌の進行が進んでいると術前診断がなされれば、大網膜・脾臓・胆嚢といった周囲他臓器合併切除を行う拡大手術が行われます。
発見時には腹膜播種、リンパ節転移など胃以外に転移している進行癌の場合には、先に化学療法などを試み、転移したがん細胞を消すことが出来た場合に手術を行うこともあります。
また、全身麻酔下での手術に耐えられない場合。高齢である、心疾患がある、などがあげられます。

化学療法
外科的根治切除治療が困難な進行胃癌や手術治療後の補助療法として化学療法があります。
化学療法は様々に組み合わせて用いられ「レジメン」が提唱されています。

放射線治療
腺癌が多いため、日本では放射線療法は多くは行われません。
術後病変に対する治療や、未承認治療法として術中照射が手術の補助として有効かどうか研究されています。

生物学的療法(免疫療法)
生物学的療法(免疫療法とも呼ばれる)は身体の免疫が癌細胞を攻撃するのを補助する治療法であり、他の治療法の副作用から回復させる補助としても施されることがあります。
未承認治療法として他の治療法と併用して、再発癌の防止する生物学的治療法研究が医者によって進められていますが、2016年秋時点で胃癌に対する有効性が証明された免疫療法は存在しないため、正当な手続きを経て専門機関にて行われる治験以外では実施するべきではないと言われています。
別の生物学的治療法としては化学療法中あるいは治療後に(白血球など)血球が減少した患者に、コロニー刺激因子などを投与して血球数レベルの回復の手助けをすることがあります。
またある種の生物学的治療法を受ける患者は入院が必要な場合があります。

予後
早期に発見され治療が行われれば予後の良い癌です。
国立がんセンター中央病院胃癌グループの統計によると、5年生存率は胃癌全体で71.4%、StageIで91.2%、StageIIで80.9%、StageIIIで54.7%、StageIVでは9.4%であったということです。

以上、胃についてざざっと述べてきました。
長々とご拝読ありがとうございました。

南千住院 後藤

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