肝臓
- 亀有南口分院
- 2015.10.24
こんにちは、南口院の橋本です。
今日は肝臓について書きたいと思います。
肝臓は臓器の1つで、人体最大の臓器と言われています。
肝臓の場所は横隔膜の下、胃の隣にあります。
肝臓の機能は代謝機能(栄養素分解・合成・貯蔵)、解毒作用(アルコールの分解等)、
肝臓は再生能力に優れ、ダメージを受けても残った正常な細胞が働き機能を維持します。
肝臓は痛み等の症状を出すことがあまりないので「沈黙の臓器」とも言われ、異常に気付いた時には病気が進行していることもあります。
主な自覚症状として「疲れやすい」「吐き気」「黄疸(皮膚・目が黄色くなる)」「発熱」などがありますが、こうした症状は肝臓の機能がかなり低下していないと現れません。
肝臓の異常を発見するためにまず行われるのは血液検査です。
肝臓の働きは加齢などさまざまな要因から影響を受けます。
一度、肝臓の検査を受けて異常がなかったとしても、それ以降検査を受けなくなってしまうのはよくありません。
出来るだけ同じ医療機関で定期的に検査を受けて、肝臓の働きがきちんと保たれているかどうか調べる必要があります。
そうすることで、もし肝臓に異常が生じても、早く気付く事ができます。
血液検査の結果に異常がある場合は「肝炎」を生じてる可能性があります。
肝炎とは肝臓に炎症が起きた状態のことで、大きく二つに分けられます。
・ウイルス性肝炎
ウイルスが原因の肝炎です。
原因となるウイルスは様々ですが、主に「B型肝炎ウイルス」「C型肝炎ウイルス」です。
これらによって引き起こされる「肝炎」は放置していると、将来的に「慢性肝炎」「肝硬変」「肝がん」というように進行していきます。
ウイルス感染の有無は血液中のウイルスの抗原・抗体、ウイルスの遺伝子の有無など血液検査により判明します。
・非ウイルス性肝炎
ウイルス以外で起きる肝炎です。
原因は様々ですが肝臓に脂肪が貯まり起きる「脂肪肝」によるものがもっとも多いです。
その他には薬剤や免疫系の異常によって起きる肝炎もあります。
肝の多くは食べ過ぎや過度な飲酒によって起こりますが、最近では「非アルコール性脂肪肝炎」が注目されています。
非アルコール性脂肪肝炎を放置しておくと慢性肝炎、肝硬変、肝がんへ進行する可能性もあります。
血液検査で肝臓の異常が判明した場合には、上記の病気の有無を調べるため、総合的な血液検査や、エコー検査など詳しい検査を受ける必要があります。
肝臓の病気に対する治療は進歩していますが、肝硬変まで進行すると元の状態に戻すのは難しくなります。
慢性肝炎の状態なら元の状態に戻せる可能性もあるので定期的な診断を行い、早期発見・早期治療を心がけましょう。