カルシウムについて
- 亀有南口分院
- 2016.01.23
本日はカルシウムについて書いていきたいと思います。
骨の丈夫さに大事と言われるカルシウム、骨だけでなく人体にとっても重要です。
細胞や血液にも溶け込んだカルシウムのことをカルシウムイオンと言います。
さて、カルシウムイオンとカルシウムの違いはなんでしょうか?
カルシウムとカルシウムイオンの違い
私たちの体の中には、たくさんのカルシウムが含まれています。
最もイメージしやすい骨のほかにも、血液や細胞内に溶け込んでいるカルシウムもあります。
こうした液体物に溶けこんでいるカルシウムのことをカルシウムイオンと言います。
海水のように、水に塩分が含まれているようなイメージをしてください。
ちなみに血液中のカルシウムイオンの濃度は、1ミリモーラー(10のマイナス3乗モル)、細胞内にあるカルシウムイオンの濃度は、とても薄く100ナノモーラー、血液中の1万分の1程度になっています。
カルシウムイオンの働き
では、カルシウムイオンは、具体的にどんな働きをしているのでしょうか。
例えば、目の前にケーキが置いてあるとします。美味しそうだと思い、手を伸ばす……。
この時、脳の中のいろいろな神経細胞が次々に興奮しているわけですが、これを担っているのがカルシウムイオンです。神経細胞が興奮すると、カルシウムチャネルというトンネルのような仕組みをした細胞膜上の門が開き、細胞外からカルシウムイオンが細胞内に入ります。
すると、今まで低い濃度に保たれていた細胞内のカルシウムイオンの濃度が突然上がり、これが合図となって興奮した神経細胞から、グルタミン酸などの神経伝達物質が放出されます。
このような動きが、手をつないでいる神経細胞の間で連続的に起こることによって、「美味しそうだな」と思ったり、「手を伸ばしてケーキを取る」という行動を起こしたりします。
高血圧や花粉症の薬として活用
このようにカルシウムイオン、特に細胞内のカルシウムイオンは、私たちが行動するための伝達という面で、非常に大きな働きをします。
こうしたはたらきや仕組みは、医療の分野でも幅広く使われており、特にカルシウムチャネルをコントロールすることで、花粉症や高血圧を抑える薬が広く普及しています。
さらに研究が進めば、長寿などにも生かせる可能性が高く、いま非常に注目を集めています。
骨の丈夫さだけでなく、様々な面で身体に関わってくるカルシウムを積極的に摂取していきましょう。
南口院 橋本