耳がキーーーン!!
- 亀有南口分院
- 2016.06.18
先日、応募していたメタルダンスユニットのチケットが当選しました。
どの程度の座席かわかりませんが、かなり良い席で前方と思われます。
ただ、以前にも何度かそのアーティストのライブには行ったことがあるのですが、メタルだけあって音量が他のアーティストとは桁違いでかなりの大音量でした。
以前参加したフェスでは前方7~8列目で、ライブ後しばらくは「耳がキーーーン」となって、治まるまでフェス会場の端っこでじっとしてました … 。
ライブなどに行ったことのある方には経験があるかもしれませんが、この「耳がキーーーン」とする症状を『音響外傷』と言います。
音響外傷とは、大音響を、それも突然、耳のそばで聞かされた直後から難聴となり、耳鳴りがする状態です。
めまいを伴わない、何となくフラフラする、雲の上を歩いているような感じがするなどの症状を訴える場合もあります。
心身ともに不調のとき、特に障害が出やすいと言われています。
音響外傷による感音難聴は比較的治りやすい部類に入るので、直ちに治療を開始することが大切です。
初期には有毛細胞が死んでしまうところまで障害されていないことが多いですが、放置していると有毛細胞が死んでしまい治療に反応しなくなるので早めの治療が必要です。
ここで、難聴についてふれたので少しお話をしたいと思います。
難聴は大きく分けて『伝音難聴』と『感音難聴』の二つがあります。
・伝音難聴
音は、耳たぶで集められて外耳道を通り鼓膜を振動させます。この振動は中耳で三つの耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)を伝わり、蝸牛へと伝達されます。この蝸牛までの機構に異常があって、音が蝸牛に伝わらないことによって起こる難聴のことを伝音難聴と言います。外耳道、鼓膜、耳小骨に異常があって音がうまく伝わらないことが原因の難聴ということになります。
例えば、耳垢が外耳道に詰まったりしても起こります。中耳炎で膿や滲出液が中耳に溜まった場合も鼓膜がうまく振動せず難聴になります。鼓膜の外傷や中耳炎で鼓膜に穴が開いてしまっても同じ状態になります。
感音難聴に比べ伝音難聴では多くの場合、手術などの適切な方法で難聴を治療することができます。
・感音難聴
蝸牛に伝われた音の振動は、有毛細胞により電気信号に変換され、蝸牛軸にあるラセン神経節細胞に伝えられます。ラセン神経節細胞から出た神経線維は内耳道を通り、延髄にある蝸牛神経核に信号を伝え、最終的には大脳で音が「聞こえる」という感覚を持つことができます。この蝸牛から大脳に至るまでの神経が障害されて起こる難聴のことを感音難聴と言います。感音難聴のほとんどは蝸牛に障害が生じています。
先にお話をした『音響外傷』は『感音難聴』の中の『騒音性難聴』の部類に入ります。
騒音性難聴には『音響外傷』のように大音量を突然聞いた場合とは別に、仕事などで大きな音に長期間さらされることで起こる『職業性難聴』もあります。
ちなみに最近、若い人の中でヘッドホンやイヤホンを使用し音楽を大音量で聴くことにより難聴になってしまう人が増えてきているようです。
これも大音量を長期間聴くことによる『騒音性難聴』と言えます。
『騒音性難聴』に限らず難聴そのものの治療法は確立されておらずビタミン剤などの投与にとどまることになります。
一度難聴になると回復するのは難しいので最も重要なのは予防です。
職業上騒音下で多くを過ごす方は必ず耳栓をする。そして、定期的に聴力検査を行い、異常があった場合は適切な処置をすることが重要となります。
また、ヘッドホンやイヤホンを使用する際は人との会話が聞き取れる程度に音量を下げ、長時間使用しないことが大切になります。
音楽を長く楽しむためにも予防と体のちょっとした変化に気をつけることを心がけてみてください。
自分も体調を万全にしてライブで騒ごうと思います!!
南口院 いたばし