若年層も女性も注意!激痛が走る「痛風」
- Let‘s整骨院
- 2016.08.23
“風が吹くだけで痛い”ことからその名前がつけられたという痛風。
現在日本では、100万人の患者(予備軍を含めると700万人)がいると言われており、
その原因は食生活や運動不足、ストレスなどさまざまです。激痛を伴う上、
一度かかってしまうと完治は難しいとされている痛風は、
日々の生活習慣を見直し、発症を防ぐことが大切です。
痛風の症状
痛風の症状は、なんと言っても腫れと痛み。
足の親指の付け根の関節に発症することが大多数ですが、ひざやひじ、手首や指の関節などに発症することもあり、
その痛みは大人でも数日は歩くことができない程だと言われています。
しかし、発作的な症状である痛風の痛みは一週間から二週間で治まることがほとんどであるため
、治療を受けずに放置してしまう方も多いようです。
その場合の多くは、半年から数年を経て同じ症状が再発してしまいます。
痛風になる原因
痛風の原因となる尿酸は、もともとは体内に蓄積されている物質です。
しかし、うまく排泄されなかったり異常に分泌されたりと排泄と分泌のバランスが崩れると、体内に溜まってしまいます。
そうして尿酸が過剰に蓄積されることによって尿酸値が高くなった状態(7.0mg/dl以上)を高尿酸血症と呼び、
その状態がさらに進み、尿酸が血中で溶けきれずに結晶化して炎症や発作が起きた状態を痛風と呼びます。
尿酸の排泄、分泌のバランスが崩れる要因としては、食生活の乱れ(栄養の過剰摂取)やアルコールの飲み過ぎ、
ストレスや運動不足などがあります。また、遺伝的な要因もあると言われています。
痛風にならないために
痛風患者が急増したのは1960年頃。 “贅沢病”と呼ばれていたことからもわかるように、
贅沢な生活をする上流階級の人々が患うものと考えられていました。
しかし近年では、食生活が欧米化(高たんぱく・高脂肪)し、それに伴って肥満が増えたことから、
痛風や高尿酸血症は身近な病気となりました。
そうしたことから痛風の予防には、食事や運動などの生活習慣を見直し、改善することが重要です。
食事
痛風患者の半数以上の人々は、肥満であるとされています。
つまり、肥満度が高ければ高いほど痛風のリスクは上がるということです。
また、食事量が多いほど摂取プリン体が多く、尿酸がより合成されるため、食べ過ぎも痛風の発症に影響します。
このことから、まずは食事の質を改善すること、そして食事量を適切にし、肥満を解消することが重要です。
食事の質を改善する時に気をつけたいのが、肉類や魚介類。
これらはプリン体を多く含むとされており、食べ過ぎに注意が必要です。
ただし、食品によってプリン体の含有量は違うので、それぞれの食品の含有量を知り、無理のない食事制限を行いましょう。
一方、積極的に摂取をしたいのは、野菜や果物。
尿酸の排泄を促進させる効果があります。
また、良質なたんぱく源としてはプリン体がほぼ含まれていない卵がおすすめです。
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飲み物
食品だけでなく、アルコール(特にビール)も尿酸値を上げる原因。
アルコールはプリン体を増加させるだけでなく、尿酸の排泄量を低下させてしまため、飲みすぎには注意が必要です。
痛風の予防には水分の摂取が有効だといわれています。ただし理想の摂取量は、季節に関わらず毎日2リットル以上とかなりの量。
食事などでアルコールをよく飲んでいる方は、代わりに水やお茶を飲むようにするとよいでしょう。
運動
適度な運動、特にウォーキングなどの有酸素運動は、痛風の予防だけでなく肥満の解消や高血圧にも効果があり一石二鳥。
ただし、運動の方法によっては、逆に尿酸値を上げてしまう場合もあるため、以下に注意しましょう。
【激しい運動はしない】
エネルギーの消耗により尿酸の増加や排出量の異常が起き、尿酸値が上がってしまう
【水分をきちんと補給する】
汗をかくと体内の水分量が減り、血液が濃縮されることで、尿酸値が上がってしまう
健康のための運動が逆の効果を生み出してしまわないよう、毎日少しずつ体を動かすことを意識すると良いでしょう。
ストレス
痛風は食生活が原因だと言われていましたが、近年ではストレスの蓄積が痛風に関わっていることが明らかにされています。
食生活や運動だけでなく、ストレスを受けない生活を心がけたり、解消方法を見つけたりすることも痛風の予防には大切です。
痛風の合併症
生活習慣が原因で発症する痛風には、合併症が伴うことが多くあります。
それは、痛風患者の約30%が発症しているという尿路結石や、動脈硬化を引き起こしやすくなる脂質異常症、
高血圧や糖尿病などさまざま。
自覚症状がないまま進行することもあるので、 尿酸値が高い方は定期的に健康診断を受診するようにしましょう。
おもな痛風の合併症
腎障害、尿路結石、糖尿病、虚血性心疾患、脳血管障害、脂質異常症、高血圧など
油断禁物!若年層や女性にも発症のリスクが
これまで、痛風を発症するのは30~40代の男性がほとんどだと言われていましたが、
近年では若年層(20~30代前半)や女性にも患者が増えていると言われています。
若年層の発症理由としては、やはり食生活の欧米化。
大人になってからの食事はもちろん、幼い頃からカロリーの高い食事を摂る機会が、昔に比べて格段に増えているためです。
女性の発症に関しては、女性ホルモンがキーポイント。
すでに説明したとおり、女性ホルモンの働きで女性の痛風の発症率は低くなっています。
しかし、閉経してしまうと女性ホルモンの分泌が減り、その結果体内の尿酸の量が増えてしまいます。
そこに食生活の乱れや社会進出が増えたことによるストレスの増加なども加わり、発症の可能性が高くなってしまうのです。
このように近年では、痛風は誰にでも発病の可能性がある身近な病なのです。
Let’s 齋藤