傾聴しますよ♪
- 亀有南口分院
- 2017.03.11
先日、シェイクスピアの「冬物語」という芝居を観に行ってきました。
久しぶりの観劇でした。
前半の悲劇シーンと後半の喜劇シーンをとても対照的に表現してて面白かったです。
ただ、最後の大円団にはハッピーエンド的なサプライズがあるにもかかわらず温かく感動的なようには見えず、どこか悲劇的な要素が感じられ、それが自分にはちょっとしっくりこなくてモヤモヤしたまま終わってしまいました。
これまで数多くの芝居を観てきましたが、こんな風にしっくりこないで終わったものや、観ている途中からイライラしたものもたくさんありました。
逆に観てて笑いころげたり、胸が熱くなって感動したり、観終わってスッキリしたものもありました。(比較的に少ないですが…)
このように芝居や映画などを観て気持ちがスッキリすることは「カタルシス効果」のひとつと言われています。
「カタルシス効果」とは、心の内にある不安やイライラ、苦悩や怒りなどの感情を言葉にして表現すると、その苦痛が解消され、安心感や安定感を得ることを言います。「心の浄化作用」とも表現されます。
でわ、なぜ普段言葉にできない思いを様々な表現を用いて開放することで、心の不安や苦悩が軽くなるのでしょうか。
それはカタルシス効果のある行動が「代償行為」だからです。
「代償行為」とは、その欲求を行動に移すことができないため、その欲求に代わるよく似た、あるいは関連のある行為をすることで欲求を満たすことを言います。
映画の主人公に自分を重ね合わせ一緒に悲しむことも、本当は会いたいけど電話で我慢することも、本来の欲求に代わる行動を満たす代償行為なのです。
本来の辛かったり悲しかったりした経験は消すことはできませんが、そのときの思いを涙として表現したり、友人やカウンセラーなどにその思いを言葉で伝えたりすることで、過去の満たされなかった自分の気持ちを満たすことが代償行為となります。
でわ、そんなカタルシス効果を得るにはどうしたらいいのでしょうか。ここでいくつか例をあげてみます。
・創作物に触れる
自分が芝居で感じたたように、ドラマや映画、演劇や小説などの創作物に触れることでカタルシス効果を得ることができます。
創作物に触れて感じる感動そのものがカタルシス効果です。また、悲劇のストーリーなどに感情移入することで自分の不安や苦悩を代弁してもらって気持ちをスッキリさせることもカタルシス効果になります。
・創作活動に取り組む
自分で実際に創作活動することでもカタルシス効果を得ることができます。
例えば、絵を描いたり、コラージュを作ったりして自分の思いを創作にぶつけ感情を開放することでカタルシスを感じるのです。
少しハードルが高いという方には、日記を書いたり落書きをするだけでも十分カタルシス効果を得ることができます。
・愚痴をこぼす、話を聴いてもらう
家族や友人などに愚痴や苦しい気持ちを話し終わった後、スッキリした経験はありませんか?それがカタルシス効果です。
ただし、ここで重要なのは相手が「傾聴」ができる人かどうかです。
話に対してアドバイスや叱咤激励、批判などがあると自分の感情を言葉にしにくくなり、素直に話せなくなってしまいます。
そのためにも自分の話を真剣にひたすら聴いてくれる相手が必要になります。身近にいる方はその方を大切にしてあげてくださいね。
もし、そのような話し相手がいなくて困っている場合はカウンセリングを活用することも有効です。
カウンセラーは否定することなく肯定的に傾聴して、物事を建設的に考えることを促してくれます。
ぜひ活用してみてください。
ネガティブな感情を溜め込んだままにすると心や身体に影響を及ぼしてしまいます。
そうならないためにもネガティブな感情を吐き出せる方法を身につけておくといいでしょう。
また、不安や苦悩を言葉や行動で表現することによって自分自身に気づきを得ることができ、自分の力で解決策を見つけられるようにもなります。
この機会にカタルシス効果を得られる方法を実践してみてはいかがでしょうか?
南口院 いたばし